2015年8月1日土曜日

《番外編》『反対は中韓だけ!』は微妙

ネットを見ていると
『日本の集団的自衛権の行使を
 支持している国はいっぱいある、
 反対しているのは中韓だけ!』
などといった
書き込みを見つけます

支持する国が多いため
正しいのだ、
という主張ですね

ですが、
こうした主張は
よく見てみると
微妙であるということを
今日はご紹介します


■一見すると

とある記事を見ると
アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、
オーストラリア、ニュージーランド、
フィリピン、シンガポール、ベトナム、
マレーシア、タイ、インドネシア、
ミャンマー、インドなどの国のほか
EU(欧州連合)、ASEAN(東南アジア諸国連合)
も賛同のコメントが
あるそうです

一見すると
『世界では認められているのか!』
と思わせる主張です

ですが、
これはデータの見方次第です


■どうでも良いという

まず、
賛同国と言いますが
『どうでも良い』の賛同が
混ざっている可能性があります

逆の立場になって考えて
みて下さい
日本が当事国でなく
カナダが当事国で日本が
賛同する立場だとしたら?
ドイツが当事国で日本が
賛同する立場だとしたら?

まさに『どうでも良い』
という意味での賛同になりますよね

よその国の法案が
その国内で違憲かどうか
などいちいち口出ししません
テキトーにリップサービス
しておけばいいや、となります
(内政干渉だと反発を受ける危険もあるので)

こうした『どうでも良い』
という賛同を持ち出して
『ほら支持が多いぞ!』
と高らかに叫ぶのは
わたしであれば
ちょっと恥ずかしくてできないですね


■都合により

また、
こちらが一番考えられる話ですが
利害関係を思い浮かべてみましょう

日本が集団的自衛権を
行使できるようになった方が
都合が良い国
というのも混ざっています

アメリカは言わずもがな

イギリスもそうでは
ないでしょうか

イギリスはイラク戦争は
間違っていたと表明し
最近はアメリカから
距離を置くようになってきた
ということを耳にします

であれば、
日本に代わりに
アメリカについていって
もらった方が
イギリスはアメリカと
距離を置き易くなります
(アメリカが自衛隊を使って
 満足してくれればイギリスに
 目を向けなくなるので)
よって、
利害関係で言えば間接的に
イギリスにとっては利があるのです

更にカナダやオーストラリアは
国家元首がイギリスの
エリザベス女王ではなかった
でしょうか

その他の国だって
自衛隊が活動を広げてくれれば
『ウチとしてはウチの負担が減ることはあっても
 負担が増えることは無いから別に良い』
となりますよね
こうした自国の国益と照らせば
別に良いという判断でしょう
(これも『別に良い』というだけの賛同です)

このような『都合により賛同』
も『ほら支持が多いぞ!』
と叫ぶにはちょっと弱いですね


■ご都合主義

また、
これはクリティカルなのですが
『ほら世界では支持が多いぞ!』
などと『世界』を持ち出す人達って
靖国問題や歴史問題などで
世界から苦言の
コメントが寄せられた時には
『内政干渉だ世界は関係ない!』
って言い出す人達
なんじゃないんですかね?w

都合が良い時は世界を持ち出し
都合が悪い時は世界は関係ないと言うのは
『ご都合主義』です


■終わりに

データが持ち出されて
いる時こそ疑いましょう
というのは
2015/7/24 当サイト記事
『《番外編》データは高度な危険性を孕んでいる!』
で紹介した通りです

『反対しているのは中韓だけ!』
というフレーズ自体が
過激思想の人達向けの
キャッチーな題名なので、
題名からして怪しいんですけどね・・・w
鵜呑みにしないよう
注意しましょう


ではまた!


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