2014年6月30日月曜日

《番外編》2014年 6月を振り返ります!!

梅雨に入って振りまくりーの
月でしたね!
しとしと じゃなく どしゃどしゃ を梅雨と
言えるのかは定かじゃありませんがね!
皆さんいかがお過ごしでしょーか?


最近はようやくと言いますが、
ラノベ業界の流れが変わってきた事を
実感できるようになりました!


学園ラブコメ隆盛期は中身ゼロの作品が
溢れかえり、
面白い作品を求める層からは
ラノベを『卒業』していく人が続出したかと思います!

それが去年か一昨年辺りから少しずつ
中身のある作品も息を吹き返してきました
ただしイマイチ実感が湧かない・・・という状態

それが今年に入ってからは
ああもう流れが変わったな、という実感です!

新人賞作品群を見ていると
学園ラブコメがかなり減少しました
ただ、エロ萌えノベルはかなりの数が
出回っており、
今後各レーベルがどう動いていくのか注目
したいところではあります

『学園ラブコメでさえなけりゃ~いいならエロと萌えで売るかwww』
とかいう論理で売るのはちょっと困りものですね
学園ラブコメも大枠ではエロ萌えノベルですからね!

別にエロ萌えノベルを出すなとは言いません
それが好物だという人は読みたいのですからね
要はそこへ傾倒するのでなく、
常に様々なジャンルのノベルを刊行し、
多様な層に対応できるようにしましょうねということです!


余談ですが
私は何となく一日一冊ペースは
読めているのですが、
ツイッターの方はどうも続きませんw
書きたい事があれば書くし、
無いときは無理して書く事も無いかーとか思ってしまいます
呟き続けるのはどうにも難しい・・・


さて6月に読んだ作品たちですが、
10個星
『六花の勇者3(スーパーダッシュ文庫)』
1巻からずっと10個星を取り続ける安定感
で今後も追い続けたい作品です!

もう一つは
『ココロ・ドリップ(メディアワークス文庫)』
イイ話が読みたいという人にオススメな作品です
温かくてほっこりします!


ではもうすぐうだる暑さの夏ですが!
涼しくして読書ライフを楽しみましょ~
アディオス!


2014年6月29日日曜日

雛鳥トートロジィ  8個星です!!

タイトル : 雛鳥トートロジィ
賞種   : ―
出版   : メディアワークス文庫
著者   : 柴村 仁
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
日常ドラマ作品です!


評価は
★★★★★★★★☆☆
8個星です!!


マジかよ

母との電話で自分に異母妹が
いると知る事になり――
家庭の事情を扱った日常ドラマ
結構良かった
日常の何気無い疑問や
とりとめの無い思考、
そういった普通に流れていく
営みが淡々と描かれているのがポイント
重い設定もあるものの、
そこを強調したいわけではないようで
気負わずに読めると思います


今日の甘口!

・流れ
  サラリーマンの普通の青年
  それが、ある日異母妹が
  いると知らされる
  更に自分の家に異母妹が
  やってきてしまい、
  どうしようか、という流れ
・テイスト
  家庭事情に重い部分を扱いつつ、
  淡々とした文章でさらっと読めます
  生活感とか心理描写とかが
  身近な所でまとまっており、
  物語内での経過時間も短いので
  大きなインパクトは無いですが、
  ほっこり系ではないけどダークでもない
  日常ものとしてはオススメできます
・キャラ
  【鷲介】はフリーペーパー編集の仕事
  をするサラリーマン
  いたって普通
  【鴇子】は鷲介の異母妹で高校に入学するところ
  人付き合いはソツなくこなし、
  心の奥では冷めた部分もある
  でも割と普通
  主に鴇子の出自に関して
  徐々に明かされていく、という感じ
  そして鷲介視点、鴇子視点どちらの
  書かれ方もするので、ダブル主人公です
・独特な書き口
  普通というものについての
  書き方は結構独特ですね
  大抵の作家は『普通』を過剰に白く描きます
  少数の作家は『普通』から黒い部分を抜かずにありのままを描きます
  この作家さんはどちらでもなく、
  『普通』を過剰に白くしないし黒い部分もあまり描かないのです
  白も黒も対応できるバランス型、といったところでしょうかね
・気に入った言葉
  こんな大人になりたかったわけじゃないが、
  なってしまったものは仕方がない


今日の辛口!

・決着のさせ方
  やや点を繋げる線が弱いかな
  と思った部分があります
  決着のさせ方がやや微妙な感じ
  そこら辺はライトゆえかもしれない


以上、
バランス型、な?!
日常ドラマ作品でした!


2014年6月28日土曜日

《新人賞情報》 第1回オーバーラップ文庫大賞第3ターン 佳作発表!

第1回オーバーラップ文庫大賞第3ターン 佳作が発表されました!
6/27に発表されていたようなので掲載~


応募された方、どうだったでしょうか?


締切   : 2014年2月28日
応募総数 : 451作品
一次通過 : 64作品
二次通過 : 7作品
佳作   : 1作品

勝ち進んだのは全体の0.2%くらいでしょーかっ
おめでとうございます!


天啓的異世界転生譚  6個星です!!

タイトル : 天啓的異世界転生譚 1
賞種   : ―
出版   : ファミ通文庫
著者   : ウスバー
イラスト : nyanya


今日のインプレダクションはコレ!
異世界転生モノです!


評価は
★★★★★★☆☆☆☆
6個星です!!


しりとりキング

異世界転生!
でもスキル豊富な代わりにパラメータが――
ドタバタコメディな異世界転生モノ
微妙かな
コメディ部分が合えば良いんだろうけど、
合わない場合結構厳しい
とにかく淡々と進むスナック感
転生する時パラメータの割り振りが
自分でできるというのは
夢がありますね


今日の甘口!

・流れ
  子猫を助けようとして車に跳ねられ死亡
  そうしたらボーナス付きで
  転生させてやると言われます
  ゲームみたいにパラメータを
  割り振っていざ転生!
  剣と魔法の世界に転生したけど
  スキルが超豊富な代わりに
  HP1で筋力とかの値が0
  とりあえず冒険者ギルド入ったけど、という流れ
・テイスト
  コメディ色が強いので
  笑いが合えば楽しめるんじゃないかな
  やってる事は基本的に
  ボケと突っ込みの会話です
・キャラ
  主人公【鋼】は突っ込み役
  平凡な学生
  ヒロイン勢は
  【シロニャ】が猫耳幼女
  子供っぽく鋼を振り回す感じ
  【ミスレイ】は巨乳娘
  言葉で相手を困らせるのが大好き
  【アスティエール】は勝ち気で
  ちょっと迷惑な元騎士
  女の子いっぱい出てきますが
  ハーレムでウハウハとかには
  ならないようですね
・謎展開
  転生先で幼少期をスキップ
  しましたーってなって
  転生後もすぐ学生から始まるんだけど、
  幼少期はスキップしただけで
  家族はいないとおかしーんですが、
  本作では家族がいないですw
  主人公、転生先では生みの親がいない
  のに存在していますw
  世界に突如ニョキッと自然発生・・・神です! ゴッドです!
  これは大きな謎、ある意味ミステリー!


今日の辛口!

・笑い
  web小説出身という事だけど
  その中ではまともな文章ですね
  主人公が突っ込みまくるんだけど、
  あまり笑いが合わず楽しめなかった
  笑いの下地が無いのかもー


以上、
生みの親がいない?!
異世界転生モノでした!


2014年6月27日金曜日

謀王  8個星です!!

タイトル : 謀王
賞種   : ―
出版   : メディアワークス文庫
著者   : 秋目 人
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
権力争い作品です!


評価は
★★★★★★★★☆☆
8個星です!!


嗤ったのは

王位に就くはずがスムーズにいかず、
他国の内乱に関わる事になり――
ファンタジーの権力争い
徹底して権力者目線なので、
これはこれでアリじゃないかと
脂っこい商人や間者、
毒や煽動や内乱、
曲者がいっぱい出てきて
謀略が展開されます
王位に就くには様々な危険や
苦労があるようですね


今日の甘口!

・流れ
  王への即位を控えた時期
  しかし、大国からのお許しが
  何故か出ない
  しかもその大国では王が死亡し、
  王子二名が争う内乱に
  主人公は無事王になれるのか、という流れ
・テイスト
  主人公含め出てくるキャラは
  基本的に
  信用など無い、金で人は動くもの、
  と徹底した利害主義です
  そして対照的に民は大勢で一個の群集
  としてしか描かれません
  こうした書き分けからも、
  権力者目線というものを表現しています
  その他権力者を悪く言う事に対して批判的であったり
  善人=愚か者という位置付けに
  していたりするので
  権力者側の目線が良いという人や
  社畜系の人の方が楽しめるかもしれませんね
  現状は哀しいですがこうした利害主義の
  価値観が広まっているんじゃないかと思いますしね
・キャラ
  主人公【フィッツラルド】は王子であり、
  冷静、冷酷、野心家、大胆
  ヒロイン【リズ】は別国の姫であり
  主人公の婚約者、
  フィッツラルドほど冷酷ではなく、
  でも内側に秘めたものもあるようですね
  サブキャラでは
  高利貸し【セドリック】は絵に描いたような悪徳商人
  大国の王子【ヘイグル】は
  フィッツラルドに似ているけど大胆でなく臆病、
  同じく大国の王子【アシュール】は
  慈悲深く情に厚い善人


今日の辛口!

・キャラ造形
  善人=愚か者という位置付けは
  ちょっと短絡的な気がするかな
  謀略が成功するというストーリーには
  欠かせないものかもしれませんけどね
  善人というのは、謀略をする頭脳があっても
  倫理観でそれを封印している場合もあります
  できないからしない、とできるけどしない、は違うのです


以上、
無事王になれるのか、な?!
権力争い作品でした!


2014年6月26日木曜日

赤村崎葵子の分析はデタラメ  6個星です!!

タイトル : 赤村崎葵子の分析はデタラメ
賞種   : ―
出版   : 電撃文庫
著者   : 十階堂一系
イラスト : 霜月えいと


今日のインプレダクションはコレ!
学園ラブコメモノです!


評価は
★★★★★★☆☆☆☆
6個星です!!


見過ごさないで

分析と称して主人公を振り回すヒロイン
色々な事に首を突っ込んでいくが――
推理っぽい事をする学園ラブコメ
微妙だったかな
コメ部分が合わなかったみたい
結構ノリツッコミとかしてくれている
んだけどあんまり笑えなかったかな
気楽に掛け合いが楽しめれば
良いんじゃないかと


今日の甘口!

・流れ
  将棋部なんだけど、
  実際の活動は分析部(自称)
  ヒロインは分析が大好きで、
  何か起こる度に分析と称して
  推理っぽい事をする
  それに付き合わされる主人公、という流れ
・テイスト
  これは分析だから推理じゃないよ、
  だから投げっぱなしだよっていう
  主義で書かれているので
  論理とか並べられても
  基本的に軽く流して
  読んでいくことができます
  頭使いたくないって時には
  軽さが合う人がいるかも
・キャラ
  主人公【加茂十希男】は自称
  人の痛みが苦手だと主張する人
  暴走するヒロインに突っ込みを入れる立場
  ヒロイン【赤村崎葵子】は
  とりあえず自論を展開して
  人を説き伏せるのが大好きな娘
  ボケと話を転がす担当
・描写
  掛け合いが主体で
  視覚的なところとかあまり
  描写が無かった気がする
  学ラブの場合基本的に〈教室〉とか
  〈美術室〉とか書けば
  それ以上の説明しなくても
  済んでしまうってところはありますね


今日の辛口!

・コメ部分
  コメ部分で笑えなかった
  のが痛かったぁ・・・w
  まぁこれは相性ですかね
  主人公がもうちょっと違っていたら
  ノリも良くなったんじゃないかなー


以上、
投げっぱなしだよ、な?!
学園ラブコメモノでした!


2014年6月25日水曜日

ネームレス・リベリオン2  9個星です!!

タイトル : ネームレス・リベリオンⅡ 氷結魔典は破れない
賞種   : ―
出版   : HJ文庫
著者   : 草木うしみつ
イラスト : 鉄豚


今日のインプレダクションはコレ!
ファンタジードラマ作品です!


評価は
★★★★★★★★★☆
9個星です!!


パーティは終わりだ・・・!

裏世界の人身売買パーティ『夜会』
これを潰すため潜入するが――
アツいファンタジードラマ
凄く良かった!
250ページそこそこなのに
300ページ以上の大ボリューム
のものを読んだと思う位
ストーリーがアツいし厚い
1巻もかなりドラマに力を入れていたが、
今回は前半の構成などが上手くなり
早めに引き込まれてそこからドラマに突入、
がっつり最後まで引っ張ってくれた
サブキャラに見せ場があるが、
その分主要キャラの戦闘で省略があったり
敵の復讐者がちょい役であったりしたので、
ページ数増やしてその部分をカバー
しても良かったかな


今日の甘口!

・流れ
  『夜会』という人身売買の場
  騎士団に所属する女騎士【フェリマ】
  は団長の依頼を受け、
  相棒の【ナハト】や【ルナ】
  を連れて潜入する
  『夜会』を潰し参加者達を
  捕らえる事ができるか・・・?!
  という流れ
・テイスト
  1巻の時から随分濃い
  ドラマを描く作者だなーと思っていたけど、
  今回もかなり濃いです!
  ページ数250そこそこなのですが、
  他の小説の300ページ以上を
  読んだと思うくらい濃い!
  物凄い満腹感です
  サブキャラや敵も含めて過去エピや
  迷いや苦悩、希望や気概など
  様々な感情を表現してくれます
  サブキャラの見せ場も凄くカッコ良かった!
  これは更に続いて欲しい1作
  視点は飛び飛びですので
  感情移入型でなく俯瞰視点に近い読み方
  の方が良いです
  それからドラマ主体ですので、
  物語を楽しみたい人にオススメ
  これは掘り出し物ですよ!
・描写
  冒頭では『夜会』参加者の
  貴族夫人を中心にして描写しています
  あえて悪党の小者を出して
  悪党側の言い分というのを
  心理描写で表しているのが印象的
  この作者は必ず相手の言い分
  というのを描くのを信条としているようです
・キャラ
  今回は1巻よりも更に萌え萌えは控え目
  サブキャラ含め大体どのキャラも
  見せ場があります
  というかサブキャラの【ジーク】が
  かなり良い味を出していました
・騎士団・・・?
  小者夫人は『夜会』参加を
  事前に察知され、
  騎士団に捕まり尋問されています
  夫人は何とか逃れようと
  喚いてみたり
  男相手では話せないとごねたりします
  しかし女の尋問官をあっさり
  用意されてしまいました
  尋問部屋に入ってきた女騎士は開口一番
  『お待たせっ! 綺麗可愛い系ミラクル聖少女、
   アスティたんの登場です! 可愛くてごめんなさいっ☆』
  ・・・何か凄いのキタアアアァーッ!
  そして笑顔を崩さず
  『オラッ☆』
  と夫人の椅子を蹴り倒し強攻策で
  自白させに行くという・・・
  とても騎士の所業とは思えぬ強烈なキャラですねw


今日の辛口!

・ページ数増やしてほしい
  敵方である復讐者の悪魔が
  今回ちょい役でしか出てこなかったのが残念
  戦闘もナハトの部分が省略
  されてしまっていた
  ページ数増量してそこも
  記述してほしかったかな


以上、
オラッ☆ な?!
ファンタジードラマ作品でした!


2014年6月24日火曜日

《新人賞情報》 第10回MF文庫J新人賞第四期 1次通過者発表!

第10回MF文庫Jライトノベル新人賞第四期予備審査 1次選考通過者が発表されました!

応募された方、どうだったでしょうか?
通過された方おめでとうございます!


締切   : 2013年3月末日
応募総数 : 423作品
一次通過 : 136作品

通過したのは全体の32%くらいでしょうか~
次の発表は7/25らしいです!


白銀のソードブレイカー  6個星です!!

タイトル : 白銀のソードブレイカー ―聖剣破壊の少女―
賞種   : ―
出版   : 電撃文庫
著者   : 松山 剛
イラスト : ファルまろ


今日のインプレダクションはコレ!
ファンタジーモノです!


評価は
★★★★★★☆☆☆☆
6個星です!!


見てねぇし

七人の剣聖がいる世界で
全ての剣聖を倒すという少女が現れ――
少女剣士のファンタジー
普通かな
謎な感じから始まるのは
興味を引くものの、
展開がパターン化するため
安定する代わりに惹きつける
持続力が足りず
設定回りはちょっと大味なきらいがある
バトルシーンも多めにしては
やや迫力が薄いかも


今日の甘口!

・流れ
  七人の剣聖がいるという世界
  その一人が少女に倒されるのを
  目撃してしまった主人公は
  少女を追う
  少女は剣聖全員を倒すのが
  目的という事らしい、というもの
・系統
  割と硬派な状況設定
  だけどキャラは剣聖狩り少女が12~3歳、
  剣聖は全員女性
  重要なポジションが女の子で
  埋め尽くされている系
  少女が剣を振り回すのが好きな人向けかな
・キャラ
  主人公【レベンス】は
  幼い頃に失った家族の仇を
  探しています
  性格を示す描写は少ないかな
  ヒロイン【エリザ】は剣聖狩り少女
  致命傷負っても何故か立ち上がったりします
  感情乏しい系です
  エリザがどうもレベンスの仇について
  情報を持っているみたいなので、
  レベンスがエリザを追うようになります
  その他剣聖の女の子達は
  やられ役って感じ


今日の辛口!

・特徴が薄い
  キャラは商品の定型って感じだったかな
  バトルシーンが肝のハズ
  ではあるんだけど、
  描写に臨場感とか迫力とかが感じられず
  このままだと単なるキャラ小説に
  なってしまうので
  何か仕掛けを盛り込む必要がありそう


以上、
少女が剣を振り回す?!
ファンタジーモノでした!


2014年6月23日月曜日

万能鑑定士Qの事件簿3  読みました!!

タイトル : 万能鑑定士Qの事件簿Ⅲ
賞種   : ―
出版   : 角川文庫
著者   : 松岡 圭祐
イラスト : ―


今日のインプレダクションは一般文芸のコレ!
事件簿作品です!


取り戻そうと歩んだ道

ネットを使った音響詐欺
かつての大物音楽プロデューサー
が怪しいが証拠が掴めず――
鑑定士による事件簿
なかなか面白かった
今回は犯人を追い詰めていく過程が見どころ
随所の鑑定眼も光っています
莉子がファッションショップ経営者を
即座に見抜き、経営難も見抜く所が
若干占い師みたいな雰囲気で笑ったw
かつての大物音楽プロデューサーも
アノ人がモデルになってるのかなーと苦笑
単巻完結でスケールは小さくなったけど、
海外に飛ぶなど空間的な幅は広く使っていますね


今日の甘口!

・流れ
  ファッションショップを襲う音響詐欺
  教師を欺く音響詐欺
  追っていくと、音楽プロデューサーに辿り着く
  しかし警察に相談しても
  詐欺の事件性を証明するのが
  難しいとして捕まえられない
  なかなか尻尾を掴ませない犯人を
  追い詰める事ができるか・・・という流れ
・テイスト
  今回は犯人自体は早めに分かり、
  犯人を追い詰めていく過程を楽しむ形式
  かつてヒットを連発した
  音楽プロデューサーの没落ぶりも
  入念に描かれていてドラマも手厚いです
  描写は一般文芸にしてはかなりライトで
  メディアワークス文庫に近いです
  そろそろ一般文芸も、と考えている人は
  1巻をまず手にとってみては?
・キャラ
  3巻で出てきたキャラは
  【西園寺】かつての大物音楽プロデューサー
  幾つもユニットをプロデュース
  したけど次々プロデュースした娘達に
  手を出していたとか
  そしてプロデュースした娘の一人と結婚
  今は借金漬けの中プロデュース活動で
  返り咲こうと夢見ています
・気に入った言葉
  成長しきれていない自分を意識しながら、おとなを演じる


今日の辛口!

・無し!
  突っ込みどころは特に無いです!
  要望みたいになりますが、
  スマトラ島のアチェが出てくるので
  コーヒー『コピ・ルアク』の話が
  出てきたら良かったなーと思いましたw


以上、
犯人を追い詰めていく?!
事件簿作品でした!


2014年6月22日日曜日

《新人賞情報》 第27回ファンタジア大賞 3次通過者発表!

第27回ファンタジア大賞 3次通過者が発表されました!
6/20に発表されていたようなので掲載~

応募された方、どうだったでしょうか?


締切   : 2014年2月末
応募総数 : 771作品
一次通過 : 116作品
二次通過 : 11作品
三次通過 : 5作品

勝ち進んだのは全体の0.6くらいでしょーかっ
最終の結果は7/20予定のようです!


聖剣使いの禁呪詠唱  5個星です!!

タイトル : 聖剣使いの禁呪詠唱
賞種   : ―
出版   : GA文庫
著者   : あわむら 赤光
イラスト : refeia


今日のインプレダクションはコレ!
異能? ラブコメモノです!


評価は
★★★★★☆☆☆☆☆
5個星です!!


感激すぎて泣けてくるぞ

二つの前世を持つ主人公
両方の前世から近しい間柄だった女の子が現れて――
異能っぽい設定もあるラブコメ
厳しいかな
萌えアニメのノベライズと言われれば
そういうものか、
とも思えるんだけど
小説発祥と言われると
ちょっとびっくりな感じ
あとがきに書いてある事が
全て、という感じかな


今日の甘口!

・流れ
  遠い前世とかで英雄だった
  者達が集まる学園
  そこへ来た主人公は、
  前世で妹だった娘と会う
  そして別の前世で伴侶だった娘とも会う
  二人の女の子が主人公の
  取り合いを始めて・・・という流れ
・テイスト
  異能を使って異形を倒すとかいう
  のは暫く出てきません
  ベタベタで甘甘なラブコメが
  好きな人なら・・・という感じ?
  文章もかなり酷いので
  メディアワークス文庫辺りを普通に
  楽しめるレベルの人だとかなりの苦行になりそう
・キャラ
  主人公【灰村諸葉】は
  最強でラッキーマン
  ヒロイン【サツキ】は諸葉の前世での妹
  とにかく騒ぐし怒るし激しくて面倒な性格
  ヒロイン【静乃】は諸葉の前世での伴侶
  表情の動きが乏しい美人で巨乳


今日の辛口!

・全体
  冒頭からずーっと役得描写
  主人公がキスされて
  谷間に顔をうずめて、
  女二人に取り合いされます
  前世ではその女の子達と愛し合っていた
  みたいな理由付けはあるんだけど
  この無駄な描写は一体いつまで
  続くんだろう?? と思ってしまいました
  よくラノベは低脳で低俗なもの、
  みたいに一般では揶揄される事も
  あるみたいなんですけども、
  ここまで酷いと庇いようが無いというかw
  『天鏡のアルデラミン(電撃文庫)』とかと
  こういった作品を同じジャンルとする事
  自体が時代に合っていないのかもしれませんね
  こういったエロ萌えラノベって
  何か別の新しいジャンル名を割り当てた
  方が良いのかもしれません


以上、
ベタベタで甘甘、な?!
異能? ラブコメモノでした!


2014年6月21日土曜日

アニソンの神様  9個星です!!

タイトル : アニソンの神様
賞種   : ―
出版   : このライトノベルがすごい! 文庫
著者   : 大泉 貴
イラスト : のん


今日のインプレダクションはコレ!
学園青春作品です!


評価は
★★★★★★★★★☆
9個星です!!


敵なしの、五人

ドイツ人留学生はアニソンバンド
を結成するためにメンバー集めを始めるが――
アニソンを扱った学園青春ストーリー
かなり良かった!
爽やかで瑞々しい青春
最後の盛り上がりが良く、
ライブでの熱気が伝わってくる
気迫の描写が見どころ
各メンバーの掛け合いもなかなかです
シンプルな構成でもったりしておらず、
さくさく読めるのも良い


今日の甘口!

・流れ
  ドイツ人留学生がやってきた!
  その娘はバンドをやりたいと言います
  アニソンバンドを
  5人集めて文化祭に
  出よう、という流れ
・テイスト
  爽やかな青春モノが好きな人にオススメ
  しかも無駄な萌えやエロも
  無いためイラッとする事もありません
  扱っているのがアニソン
  という事で、アニソン好きにもオススメかな
  一応コアなオタク向けになり過ぎない
  作りにもなっていると思います
  私も分からない所結構ありましたが
  それでも楽しめましたのでw
・キャラ
  ボーカル【エヴァ】はドイツ人のアニソン好き
  前向きで物怖じしない、そして素直な娘
  ドラム【京子】は姉御系
  喧嘩っぱやくてすぐ手が出ます
  ベース【孝弘】はお調子者
  ボケ担当といったところ
  キーボード【琴音】は怖がりな娘
  役割は薄いけど一応萌え担当?
  ギター【弦人】はツンツン男子
  最初は他のメンバーと衝突します
・構成
  仲間集めと文化祭ライブという
  とてもシンプルなストーリーだけど、
  最後ちゃんと盛り上がります
  熱気を伝える表現が上手いですね
  仲間集めも後半まで引っ張らず
  中盤くらいで済むので、
  ストーリーの進みももったりしておらず
  さくさく読めるんじゃないでしょーか


今日の辛口!

・衝突部分
  途中で発生する衝突が
  アニソンへの否定 → 否定すんな!
  的な流ればかりなのがちょっと気になったかな
  そんなに否定を強調する
  必要があったのかが疑問


以上、
アニソンの青春、な?!
学園青春作品でした!


2014年6月20日金曜日

《番外編》最近の注目作【ピックアップ!】6~7月

新刊が続々と発表・刊行されていますね
その中で私が注目している作品を
ピックアップ! したいと思います!

発売日
6/10   王手桂香取り!2(電撃文庫)
6/25   路地裏のあやかしたち3 綾櫛横丁加納表具店(メディアワークス文庫)

7/25   代償のギルタオン3(スーパーダッシュ文庫)
7/25   偽神戦記2(スーパーダッシュ文庫)
7/25   灰と幻想のグリムガル level.4(オーバーラップ文庫)


興味を持った方はまずこれらの1巻を
読んでみて下さい!
私的には1巻を読んでみて『追いかけてみよう~!』と思った作品達です


幾つかこの中でもコメントしたいものは・・・
『代償のギルタオン』
は2巻があまり芳しくなかったので
今回で復活を期待しています

『偽神戦記』
は久々に出てきた大作の予感!
早く読みたい!


ではでは皆さん、
充実した読書ライフを!


祓魔学園の背教者II  6個星です!!

タイトル : 祓魔学園の背教者II -ミスティック・ミスト-
賞種   : ―
出版   : 電撃文庫
著者   : 三河 ごーすと
イラスト : ukyo_rst


今日のインプレダクションはコレ!
学園異能モノです!


評価は
★★★★★★☆☆☆☆
6個星です!!


焦る必要は無いのだ

色々な宗教者の集まる学園
その学園が霧と虫を操る敵に襲われて――
天使とか悪魔とか風神雷神とか
出てくる学園異能モノ
普通かな
今回はバトルシーン多めだったけど、
主人公強いねーの繰り返しで
やはり設定の苦しさを1巻から
引きずっている
ストーリー的にももっと奥行きが
欲しいところ
設定もキャラも使い捨てが多く、
練りこみが足りなかったかな


今日の甘口!

・流れ
  様々な宗教者達の集う学園
  に通う無宗教者の主人公
  異端教の再興を目指すヒロインを
  助けながら学園生活を送り始めたが、
  早速襲撃があった
  プロの戦闘集団が調査に向かうも
  返り討ちに遭い、
  学園からも対応に駆りだされる、という流れ
・テイスト
  1巻と違い、完全に萌え特化になりました
  作者としては『小難しい話はウケが悪いから無くそう』
  という発想だったのかもしれません
  が・・・、それを取ったら萌えしか無くなったというw
  まぁ読みやすくて萌えが好き、という人向けかな
・まさかの
  今回敵は霧使いと虫使いなのですが、
  虫使いは虫を巨大化させた軍勢を
  けしかけてきます
  しかも虫達は巨大化と共にスピード
  とかもアップ!
  テラフォーマー 降 臨!w
・キャラ
  主人公【拓真】は天使や精霊
  とかが使役できない代わりに体術知力がmax設定
  何でもすぐ分かるし戦いでも常に圧倒です
  ヒロイン【ミトラルカ】は小動物系
  どんなに苦しくても健気に頑張る娘
  幼馴染【翠花】は感情表現豊かな娘
  その他サブはかなり描写薄い
  お調子者が出てくるけど冷たくあしらわれるだけ
  プロの戦闘集団や学園の上級生達は噛ませ犬
  クラスメイトも噛ませ犬
  敵役もちょっと出てきて噛ませ犬達を圧倒していたのに
  拓真が出てくるとあっさりやられてしまいました


今日の辛口!

・中身
  ぶつ切り言葉の少女が出てきて
  なんかそういうの多いなって思ってしまった
  ウケが良さそうなヒロインを並べておけば良いって感じ
  冒頭からしばらくは萌え描写っていうのも
  商品化が徹底されているなと思う
  まず萌えで釣る、話はそれからって形式
  食事シーンも無駄に多い!
  萌え描写と俺ツエーのバトルシーンで
  紙面を食いつくし、
  僅かに残った余白でストーリーを展開するので
  襲撃があってあっさり撃退しただけで
  終わってしまいました
  このまま続くとキビシーかも


以上、
虫が巨大化、な?!
学園異能モノでした!


2014年6月19日木曜日

五感を研ぎ澄ませて  9個星です!!

タイトル : 五感を研ぎ澄ませて
賞種   : ―
出版   : メディアワークス文庫
著者   : 永田 ガラ
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
不思議ドラマ作品です!


評価は
★★★★★★★★★☆
9個星です!!


肩の力を抜いて

自分でも分からず使っていたチェロが実は、とか
フランス人の彼の臭いに惹かれて、とか
の様々な登場人物が織り成すストーリーは――
短編が連なって一本のストーリーになる
ちょっと不思議なドラマ
凄い
黒い部分を抜かず赤裸々に
人間臭さを描写しているので
人を選ぶテイスト
しかし筆力が高く、
個人的には好きでもなく共感
できるわけでもないエピソードが
多かったのに思わず読み入ってしまった
何かを与えるのでなく、
読み手が自由に何かを見つける所が
一般文芸的
読むときの気分、場所、時間によっても
感じ方が千変万化しそうな不思議な作品


今日の甘口!

・流れ
  チェロを習う大学院生で『聴覚』
  獣臭を持つ外人に魅せられた女性で『嗅覚』
  など五感をテーマにした
  短編の連なりで、
  しかし各話の登場人物が
  関係していて、
  一本のストーリーにもなっている、というもの
・テイスト
  テイストは一般文芸だと思われます
  ファンタジックな部分もあるにはありますが、
  日常系のドラマです
  ただ、人を選ぶテイストだと思います
  日常と言ってもほっこり系ではありません
  普通の人を、黒い部分を抜かず
  ありのままの普通の人として描いています
  そうしたありのままの人間、
  キャラではなく登場人物、と言った方が良いでしょう
  赤裸々な人間臭さがOKという人にオススメ
  雰囲気ある綺麗な表紙、
  でも始まったらドス黒い、なんだこれw
  って私はなりましたw
  でも我慢して読み続けるとどんどん引き込まれていく
  という感じです
・キャラ
  《聴覚》のメイン【田村】は大学院生の男
  人と合わせるのは上手いけど
  常に腹の中では侮蔑などの黒いものを抱えている
  判断基準も単純で利用価値があるかどうか
  《嗅覚》メイン【マユミ】はフランスへ留学した美大女子
  割と思いつきで行動し、後になって
  これで良かったのか考え込むタイプ
  《味覚》メイン【クロード】はフランス人
  上昇志向で野心家
  でも野心に任せて突っ走った後に振り返る事も
  《触覚》メイン【一花】は田村と同じ音楽教室に通った女性
  人と合わせるのは上手いけど
  冷めた部分が拭えない、強迫観念に囚われて
  人の輪に入っていっている
  《視覚》メイン【恭一】はエリートサラリーマン
  しかし優れているために上司から妬まれたりする
  流されて生きているという一面も
・筆力
  読ませる力のある文章
  普通の人の抱える弱い気持ちとかを
  表すのが非常に上手い
  だから個人的には好きでもなく共感もできないのに
  読み入ってしまった
  とてもライトノベルという感じでなく、
  一般文芸なのではないかと思う
  登場人物を作ったら、
  それを自分にとりつかせて描いている
  かのような生きた文章だった
  本作はこうした抉るような文章ですが、
  最後まで読み進めれば何か
  良いものが見付かるかもしれません
  私は肩の力を抜いて生きれば~~という部分が
  良いなと思いました
  前向きになれる言葉だなと


今日の辛口!

・構成
  最初のエピソードが腹黒男
  (と言っても現代ではこれぐらい黒くても普通の範囲なんでしょうけど)
  でなければ印象がもっと違ったものになったかも
  こうした嫌な奴は中盤より後に登場させる
  構成にした方が物語りに入っていきやすい気がします


以上、
読ませる力のある文章、な?!
不思議ドラマ作品でした!


2014年6月18日水曜日

とある魔術の禁書目録2  8個星です!!

タイトル : とある魔術の禁書目録2
賞種   : ―
出版   : 電撃文庫
著者   : 鎌池 和馬
イラスト : 灰村 キヨタカ


今日のインプレダクションはコレ!
学園異能ファンタジー作品です!


評価は
★★★★★★★★☆☆
8個星です!!


そのふざけた幻想を・・・!

塾に閉じ込められた娘を
救出に赴くが――
ルビが飛び交う学園異能ファンタジー
それなりに面白かった!
始まりから暫くは完全にラブコメ
今回は『内に潜む違和感』というところかな
当麻の『記憶を無くす前の自分』を抱える心境しかり、
敵のダミーしかり、ステイルの人間臭い部分しかり
コンセプトはバッドエンドみたいですけどね
当麻は不幸だ不幸だと言っているんだけど、
トラブルに巻き込まれるだけで
必ずしも不幸ではない気がするかな


今日の甘口!

・流れ
  巫女装束の娘と出会いました
  でもその娘は
  とある塾で囚われの身になっていると
  後で知る事になる
  魔術師に連れられて主人公はその塾へ行き、
  塾から巫女娘を救い出そう、という流れ
・テイスト
  異能といっても異能バトルほど
  バトル要素は無く、
  言葉の応酬の方が多いです
  主人公が相手がどんなに悪い奴でも
  とどめは刺しませんって系統なので
  その分軽く読めるかな
  でもルビ多いし文章はクセが強いので
  つっかえる事は多いかも
・キャラ
  主人公【上条当麻】は
  信じるとか人の死を見過ごせないとか
  そういった白系統という造形
  ヒロイン勢は今回あまり出番無し
  【インデックス】は子供っぽい
  巫女娘【姫神秋沙】は巫女装束着てるけど
  巫女じゃない、自身を魔法使いという
  ちょっと電波系?


今日の辛口!

・構成
  ちょっと構成は気になったかな
  当麻は常に巻き込まれ型であり、
  カウンター型
  待っていればおいしいシーンがやってきて、
  後はかぶりつくだけ・・・というか
  ストーリーをもう少し
  手厚くしてほしいかなーとは思った
  これは好みの問題なのかな


以上、
言葉の応酬、な?!
学園異能ファンタジー作品でした!


2014年6月17日火曜日

禁忌の転生術と誓約の姫君  6個星です!!

タイトル : 禁忌の転生術と誓約の姫君
賞種   : ―
出版   : ファミ通文庫
著者   : 鳥村居子
イラスト : 有河サトル


今日のインプレダクションはコレ!
和風ファンタジーモノです!


評価は
★★★★★★☆☆☆☆
6個星です!!


放り投げるつもりなど

呪術を扱う一族の当主となる
婚約者も決まるが、
その娘が一族の裏切り者と疑われ――
謎めいた和風ファンタジー
何とも言えない読み口
複雑な家庭環境を表しているのかな
本家や分家などもある〈一族〉という
形態を用いる事で、
複雑さを明示している感じです
最初から主人公に想い全開な幼馴染の
扱いがちょっと不憫な気も
心の動きにどろどろしたものもあって
上向きと下向きのテンションどちらも
ありますので、読む時の気分によって
結構見え方が変わるかも?


今日の甘口!

・流れ
  主人公は呪術一族の本家息子
  双子の兄が投手を継ぐはずだった日に
  兄が失踪、主人公が当主になってしまう
  婚約者も決まったが、まだ十歳の幼女
  一族の中に呪術を悪用する裏切り者が
  いるのでそれを探す事になる
  しかし、疑いが婚約者の幼女にかかってしまった
  疑いを晴らさなければ・・・という流れ
・軸の部分
  軸になっているのは
  主人公が『分からない』ものと『思い出せない』ものを
  探す部分
  主人公は特別な一族の当主だけど
  家の事は教えられておらず『分からない』
  特殊な術で父から情報が頭に継承されたけど、
  その情報はいきなりうまく使えず
  何かきっかけが無いと情報が取り出せない
  だから一族の人間と関わる事によって
  徐々に情報を取り出し、『分からない』部分を埋めていく
  『思い出せない』のは婚約者の事で、
  初対面だと思ったら婚約者の幼女に怒られてしまう
  どうやら主人公はキレイさっぱり
  その幼女の事を忘れているようですw
・キャラ
  主人公【元】は凄く色々と割り切って
  生きている感じ
  父親並びに周囲から酷い事を言われても
  殆ど動じませんw
  学生ながら老成しているように見えますね
  ヒロイン勢は
  婚約者【遙佳】が十歳の幼女
  特殊な環境下で気丈に振舞う事に慣れてしまったけど
  中身は甘えたい歳相応といった感じ
  幼馴染【しいな】は経緯不明だけど
  元に好意を寄せています
  やや思い詰め易い危うさも
・気に入った言葉
  『問題があるからこそ未来が見えてきたんだって思ってる』
  『結論が同じだから過程をどうしようが無意味なこと、そんな風に考えたくなかった』


今日の辛口!

・全体
  ちょっとした謎解き要素っぽくもあったけど、
  どうも読み終わっても腑に落ちなかったり
  謎めいたままだなって所があるのが何ともw
  キャラがストーリーに動かされている
  感じもしたかな


以上、
どろどろしたものもある、な?!
和風ファンタジーモノでした!


2014年6月16日月曜日

第15回えんため大賞 まとめます!

読了しましたので、まとめま~す!



第15エンターブレインえんため大賞小説部門
応募総数:737作品

◆――――――――――――――――――――――――――――――――◆
★★★★★★★★★  優秀賞   リーガル・ファンタジー
★★★★★★★★★★ 最終選考作 アクアノート・クロニクル◆――――――――――――――――――――――――――――――――◆
(注1:東放学園特別賞)



ギンレイの【振り返りま賞!】

前年度選考からがらりと変わりました

学 ラ ブ が 消 え た !!

編集部の方針が変わったようですね
いやもうここまで急激に転換するとは
思いませんでした!
まぁ学ラブ派生みたいな臭いも少しは
あったりしますが、
流石にここまでがらりと変わるとなると
権力を握っている人の英断が
無ければ成しえないでしょう
普通に楽しめる作品の傾向に
なったのは喜ばしい事です

その分『学ラブ消えたらヤダー』って人からは
暫くの間叩かれる事になるでしょう
そこは方針を決めた以上覚悟を決めて耐えて下さいね
『声の大きい読者だけが読者ではない』
という言葉を忘れなければ耐えられる筈です
『アクアノート・クロニクル』を始めとして
ストーリーは確実によくなっていますし、
それを楽しみにしている読者もいる訳ですからね
・・・まぁ特別賞辺りに学ラブを
一作だけ受賞させてお茶を濁すという手
ありかもしれませんけどね
そこは商業ですから、
うまいことやれば良いと思います
要は学ラブ一辺倒にならなければ良いのです



【選評スコープ!】

総評を見てみると、
応募作から学園ラブコメが減り、
バトルやファンタジーが増えた、
しっかりした物語を求める市場と連動している、
度肝を抜く作品は無かった、
といった感じでした!


ふむ、市場も物語を求めるように
なってきているというのですね!
喜ばしいことです
次年度の受賞作がどうなるかも
注目したいと思います!


シバキヨ!  6個星です!!

タイトル : シバキヨ!
賞種   : ―
出版   : メディアワークス文庫
著者   : 安彦薫
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
時代劇コメディモノです!


評価は
★★★★★★☆☆☆☆
6個星です!!


世をしばく者

母の薬を江戸に取りに来たはずが、
法で裁けぬ悪人を懲らしめる役目を負い――
軽いノリの時代劇
微妙だったかな
悪人を懲らしめるという王道部分を
もっと全面に押し出したスカッとする
作りの方が良かったかも
語り口とか時代っぽい雰囲気は
出ている気がするけど
掛け合いにあまり馴染めなかった
後半で雰囲気が反転したりするのも
ちょっと違和感
どっち方面に行くのか一貫したものに
した方が良かったように思われるため惜しい


今日の甘口!

・流れ
  時は元禄
  病気の母は薬を飲む生活を
  送っていたが、その薬が滞ってしまった
  薬は江戸に行けば手に入るらしく、
  主人公は取りに行く
  だが江戸で冤罪で捕まり、死罪となってしまう
  何故か斬首は免れたが、
  怪しげな指令を受けてそれを
  こなす生活になってしまった・・・という流れ
・キャラ
  主人公達は朱雀とか玄武とか
  方角の四神? の名を与えられています
  主人公【亀】は玄武
  お喋り女子【すずめ】は朱雀
  おバカ担当【虎】は白虎
  クールな侍【竜之介】は青龍
  この四人が軽いテンポの掛け合いを
  しながら指令をこなしていく感じですね
  指令はだれだれを懲らしめろとか
  だれだれを探れとか
  そんな感じ
・テイスト
  時代劇としては結構軽いので
  悪人を斬る! な感じでなくても良いなら
  まぁ楽しめるかも
  最初軽いけど後半なんだか重くなっていく
  展開でもあるので、
  そこもちょっとライトじゃなくても良いなら、
  という覚悟が必要かな


今日の辛口!

・ノリ
  法で裁けない悪人をしばくよーという
  コンセプトは時代劇
  の王道といった感じで良いと思います
  でもなんか途中の紆余曲折で
  あまり乗れなかったり
  悪人を懲らしめるものの斬らないのかーとか
  ああでも、最後の最後は斬るんだけどね、という感じで
  どうも演出が良くなかったような気がしますw
  方向性をしっかり定めた方が良かったかと


以上、
シバきて候、な?!
時代劇コメディモノでした!


2014年6月15日日曜日

《番外編》ギンレイの【気ままにランキング!】6月号

5月から始まったこのランキング企画、
一ヶ月経過してまた10個星作品も増えました
さぁ今月の順位はどう変わったのか~~?!

ランキングを発表したいと思います!!


 1位 : ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン2(電撃文庫)

      ★ 戦記ものとして描く所をしっかり描き、
        かつエンタメ性も高く仕上げた逸品!

 2位 : 代償のギルタオン(スーパーダッシュ文庫)

      ★ 新人離れした筆力で驚かされた!
        メッセージ性強し!

 3位 : 偽神戦記(スーパーダッシュ文庫)

      ★ 最近出てきたばかりだけど凄まじい描写!
        世界観や設定の作りこみが凄い!

 4位 : 六花の勇者(スーパーダッシュ文庫)

      ★ 提示の上手さは随一!
        発想が光る!

 5位 : ココロ・ドリップ(メディアワークス文庫)

      ★ やさしくてイイ話!
         胸が温かくなります!

 6位 : サマー・ランサー(メディアワークス文庫)

      ★ 瑞々しい青春!
        爽やかな部活!

 7位 : ドラゴンチーズ・グラタン(このライトノベルがすごい!文庫)

      ★ 荒削りで構成その他の上手さは無いかもしれない・・・でも!
        この日常描写は圧倒的な才能を感じる! そこだけでも見る価値アリ!

 8位 : 六花の勇者3(スーパーダッシュ文庫)

      ★ 1~2巻とはまた違ったテイスト!
         騎士の忠義がアツい!

 9位 : アクアノート・クロニクル(ファミ通文庫)

      ★ ストーリーの妙技!
         絡めに絡め、練りに練ったストーリーが光る!

 10位 : 六花の勇者2(スーパーダッシュ文庫)

      ★ 1巻に引き続き上手し!
        魔物との駆け引き!


今回の新出は
ココロ・ドリップ(メディアワークス文庫)
六花の勇者3(スーパーダッシュ文庫)
アクアノート・クロニクル(ファミ通文庫)
の3本でした!

上位3~4位くらいまで鉄壁ですね~!w
今後の順位の動きも注目です!


アクセル・ワールド  8個星です!!

タイトル : アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還
賞種   : 第15回電撃小説大賞・大賞
出版   : 電撃文庫
著者   : 川原礫
イラスト : HIMA


今日のインプレダクションはコレ!
非日常系作品です!


評価は
★★★★★★★★☆☆
8個星です!!


戦いの時、来たれり!

いじめを受ける日々
特殊なアプリケーションを
貰った主人公は――
バーチャル格ゲーを扱った非日常系
それなりだったかな
格ゲー部分がもうちょっと手厚い
方が良かったかも
ソードアートよりもゲーム要素が少なく、
その分モテ描写が多いですね
ヒロインがプログラム的なので
ギャルゲ志向強し
日常と非日常を極端にする事で
コントラストははっきり出せていたんじゃないかなと


今日の甘口!

・流れ
  首に装着する機械で
  ネットにダイブできる世界
  現実が嫌でネットに打ち込む主人公
  ある日生徒会副会長に
  特殊なアプリケーションを貰う
  アプリケーションを起動すると
  現実が超スローに(自分の知覚が加速した事で)
  しかしそれと同時に、
  同じアプリケーションを持っている者から
  対戦を挑まれるようにもなってしまう
  格闘して勝ち抜いて
  レベルアップしていこう、
  生徒会副会長の目的のために・・・という感じ
・テイスト
  ネットにフルダイブできる
  ところは良いですね
  リアルの身が無防備になるとか
  問題はありますが、
  将来的にそういった
  システムは出てくるような気がします
  格ゲー要素についてはどうだろう
  あまり制約なく自由に戦闘
  できるのですが、
  かえって制約があるもどかしさ
  とかのゲームならではの感覚が
  味わえないような気もします
  よってゲーム要素を求めるならソードアートの方が良いかも
  それからヒロインもプログラム的に
  何故か全面的に愛してくれるので
  ギャルゲー好き向けなのかな
・キャラ
  主人公【ハルユキ】は
  劣等感と卑屈、太ったいじめられっ子という設定
  んーリアルでは太っていると
  親しみ易さとかで結構上手く
  やっている人が多い気がするんですけどねぇ
  ヒロイン勢は
  生徒会副会長【黒雪姫】は注目を集める美人
  幼馴染【チユリ】は感情の起伏の激しい感じかな
  いじめっ子も出てきたりするけど
  暴力やパシリの強要など
  実際に行われているような陰湿な
  ものとは違う感じです


今日の辛口!

・ヒロイン
  『ソードアート・オンライン』でも
  そうだったのですが、
  この作家さんの描く女キャラは
  プラグラム系ばっかりでどうも
  愛着が湧かないんですよね
  無条件でひたすら主人公を
  愛してくれるところに首を
  傾げてしまいます
・都合の良さ
  バイクマンと対戦した時
  初撃決めた後畳み掛ければ
  終わったハズでは? とか
  設定も所々、都合を良くするために
  思いつきで追加していたりもするので
  面白さを阻害する要因が多かったかな
  ベースの筆力が高いので
  何とか楽しめた、という感じ


以上、
ギャルゲー的格ゲー、な?!
非日常系作品でした!


2014年6月14日土曜日

双星の捜査線  9個星です!!

タイトル : 双星の捜査線 ―さよならはバーボンで―
賞種   : 第19回電撃小説大賞・最終選考
出版   : 電撃文庫
著者   : 亜空雉虎
イラスト : アカバネ


今日のインプレダクションはコレ!
ポリスドラマ作品です!


評価は
★★★★★★★★★☆
9個星です!!


誰かの犠牲の上

警察の特殊部隊の隊員にまで
被害者が出た連続殺人犯
犯人の居場所を突き止めるため
捜査に乗り出すが――
ファンタジー色控え目なポリスドラマ
かなりの満足でした!
充分に練り上げられたドラマが楽しめます
構図がガラリと変容を遂げるところや
組織の裏など、
一筋縄ではいかないところが見どころ
370ページ超えの大容量ですが
最後まで引き込まれました
次どんな作品を出すのか楽しみな作家です


今日の甘口!

・流れ
  大災害、三次大戦を経た世界
  脳に埋め込んだ〈ユニット〉で一定の
  異能じみた能力が使えるようになっています
  そうしたユニット絡みの犯罪も
  発生していて、
  警察官である【シンゴ】は一つの
  事件を追う事になります
  対象は猟奇的な殺人を繰り返し、
  特殊部隊C.S.Cの者まで
  やられてしまったようです
  相棒【マリィ】と共に捜査を進めていくが・・・という流れ
・読み応え
  これは世界観や設定、ストーリーに
  関しては物凄く力が入っていて
  読み応え充分です!
  途中で入れ替わる構図、
  警察という身に置きながらも
  組織の裏を知ってしまった絶望、
  そして迫られる選択・・・!
  物語を楽しみたい人にはオススメ
  でもこうした難しさが
  低年齢層にはウケが悪いかも
  これだけ描けるのであれば、
  メディアワークス文庫、更には一般文芸の
  道を考えた方が良いかもしれません
  投稿時はメディアワークス文庫を
  狙ったのかもしれませんけどね
・キャラ
  マリィは十歳そこそこという外見です
  まーここら辺はお約束
  みたいなもんですかねw
  主人公のシンゴは特殊部隊C.S.Cに
  入りたいと思いながらも試験に落ちた
  事で普通の警察官として過ごしています
  しかし過去に謎があったり、
  体にも謎があるようですね
・力作!
  世界観や設定の構築、
  更にストーリーの絡まり方など
  途方も無い労力によって
  作られているのが分かります!
  大容量370ページ超えです
  これは次回作までに相当かかりそうですね
  お手軽ご都合だと早ければ1~2ヶ月で
  刊行できるのでしょうが、
  これだけ力の入ったものは
  そんな簡単に描けませんからね
・気に入った言葉
  『私はこんなの認めたくない。しょうがないなんて言いたくない』


今日の辛口!

・文章のクセ
  ちょっと気になってしまった描写もあります
  『物語は、その港湾都市・アニバーサリーアースで進んでいく』
  といった記述です
  何だろう、プロット段階ではこんな感じの
  書き方もするかもしれないけど、
  私的には微妙に引っ掛かってしまいました
  文章のちょっとした所にも気持ちが
  行き届くようになるともっと良くなるのでは


以上、
大容量の力作、な?!
ポリスドラマ作品でした!