2015年5月2日土曜日

消えない夏に僕らはいる  読みました!!

タイトル : 消えない夏に僕らはいる
賞種   : ―
出版   : 新潮文庫nex
著者   : 水生 大海
イラスト : ―


今日のインプレダクションは一般文芸のコレ!
学園青春作品です!


自分たちの掴んだもの

過去のトラウマを抱えた少女は
当時の友達と高校で再会し――
群像劇の学園青春
かなり良かった!
抑圧と解放が大きく
鮮烈な心理と人間模様が
描かれていてまさに青春でした
心の傷に必死に蓋をし、
しかし色々な拍子に傷口が開き、
その度に心を伏せて傷口を押さえ
出血が止まるのをひたすら待つ・・・
でもそれでは現状維持が続くだけになってしまう
前に進むためには激痛を覚悟で
消毒液を傷口にかけるしかないのかもしれません
本人が悪くなくても親戚が
事件の犯人だからという理由で
迫害を受けてしまうとか、
本人が意思を主張しても
周囲が勝手な解釈を裏でひそひそ
広めてしまうとか、
『村社会』という言葉を思い浮かべました


今日の甘口!

・流れ
  小学校の校外学習(林間学校?)で
  行った先で、
  少年少女4人組は肝試しを画策する
  現地で出会った少女を加え
  5人で肝試しを敢行、
  しかしその時事件に巻き込まれ
  少女1人が大怪我を負ってしまった
  犯人が現地で出会った少女の親戚で、
  その後の人生を大きく狂わせてしまう
  現地で出会った少女は犯人の親戚
  というだけで迫害を受け続け
  高校生になる頃には
  人目を避けて俯いて生きるようになっていた
  高校ではもっと普通の生活を
  送りたいと願っていたが、
  クラスに入ると衝撃の再会を果たしてしまう
  肝試しを敢行した時のメンバーが
  殆ど同じクラスとして入ってきていたのだ
  果たして平穏な学生生活が
  送れるのだろうか・・・という流れ
・テイスト
  爽やかな青春とはまた違ったテイストで
  痛みも伴う青春でしょうか
  でもその分臨場感が強く
  その世界に引き込まれると思います
  ただ痛みもあるということは
  承知の上で読んで下さいねw
・キャラ
  【鷹端 友樹】は少年
  何事も先頭を突っ走る
  お調子者
  【汐見 紀衣】は少女
  友樹の幼馴染で普通系
  【南雲 宙太】は少年
  説明したがるインテリメガネ
  論理思考の性格
  【土門 ユカリ】は少女
  印象の薄い地味子
  高校生になる頃には斜に構えるようになった
  【椋本(金森) 響】は上記四人とはクラスメイトでない少女
  他の子達より少し大人びている
  しかし高校生になる頃には
  おどおどして人目を避けるようになった
・本当のこと
  本作の中でいじめの仕組みの一つも
  核心部分が描かれていたり、
  白と黒が両方あって主要キャラクター
  だけでなく群衆も含め
  人間的に表現されているのが良かったです!
  ・・・こういう本当のことが
  書かれているものこそ
  中高生の内に読んでおきたいもの
  なんじゃないかな?
  本当のことから目を背けたいのって
  高確率で大人の方だと思う
  エンタメの名のもとに
  まるで黒を白みたいに欺瞞して書く
  作品が最近多すぎるので
  こうした白と黒両面書く作品が
  もっと増えて良いと思います!


今日の辛口!

・中盤
  中盤がちょっとだけ
  ダレ気味になってたかな?
  そこら辺にもう少し変化が欲しかったかも


以上、
過去の清算、な?!
学園青春作品でした!


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