2015年5月15日金曜日

落花流水  読みました!!

タイトル : 落花流水
賞種   : ―
出版   : 角川文庫
著者   : 山本 文緒
イラスト : ―


今日のインプレダクションは一般文芸のコレ!
日常系作品です!


幸か不幸か

複雑な家庭で暮らす少女は
紆余曲折を経て成長していく――
人生を追う日常系
かなり良かった
家庭の事情アリの少女の、
幼少期からの人生を多角視点で
追っていくものです
登場人物の書き分けが巧く
視点が変わる度に
新たな情景を味わえるのが良いですね
小鉢を並べ少量を口に運んでは
また次の小鉢に移っていく、
そんな人生が展開されていく印象でした


今日の甘口!

・流れ
  何でも両親に望みを叶えてもらい
  自由奔放に生きていた少女
  しかし母の死があり、
  実は母だと思っていたその人は
  祖母だと知らされる
  本当の母は、それまで姉だと
  思っていた女性だった
  実母と暮らし始めると生活は
  転落した
  実母は男にだらしがなく
  そもそも少女を産んだ時も
  若すぎる出産だったのだ
  家庭環境の辛さに全てを
  他人事と捉えるように心に蓋をしていき
  出口の見えないような生活を送るが・・・という流れ
・テイスト
  自由奔放な幼少期では
  少女のことを隣に住むハーフの少年の視点
  によって描きます
  高校生辺りでは少女自身の視点となり、
  少女が大人になり結婚する段階になると
  実母の視点になり・・・
  という風に多角的に一人の少女の
  人生を描いてありますので
  登場人物が確固たる存在感を
  持って映像が広がるのではないでしょうか
・キャラ
  【手毬】は少女
  幼少期はわがまま、
  高校生辺りでは自己の乖離
  みたいな全てを他人事と捉える性格
  【マーティル】は幼少期のお隣さん
  ハーフの少年
  【律子】は手毬の実母
  だらしがない性格w
  若くして手毬を産んだしその後もずっと
  結婚浮気と男の遍歴が続いていきますw
・書き分け
  実母の視点になった時は
  だらしない女性を表すように
  『このままでは一生このままだ』
  と言葉遣いも知性をその人物に
  合わせてあるのが良いですね
  こういうのって読み手が気付いてくれないと
  スルーされやすいところですが、
  小技が効いていて好印象です!


今日の辛口!

・表現
  んー何と言うか、
  家庭の事情って
  ほんとみんな好きだよねえw
  リアルでは
  知られたくない、踏み込むな的な
  バリアーを張っているのに
  物語として他人事なら
  覗くのが好きってことなの??
  ワイドショーが廃れない理由も
  そういうところなのか・・・w


以上、
家庭環境の一冊、な?!
日常系作品でした!


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