2014年12月20日土曜日

わたしを追いかけて  10個星です!!

タイトル : わたしを追いかけて
賞種   : ―
出版   : メディアワークス文庫
著者   : 高村 透
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
日常系作品です!


評価は
★★★★★★★★★★
10個星です!!


万華鏡

【尊厳死】法の成立
それと向き合う人々は――
終末や最期と向き合う日常系
これは凄く良かったです
根底は『言葉』に感じられる
何もかもが上辺だけの家族
そこで直面する【尊厳死】
そして日本の医療は
責任問題にならないよう
生きさせねばならない
それから行政と医師会の利害
全体的にやんわりとですが
ありのままを書いてあるので
すっと入ってくるかも
母親のあけすけな浅ましさとか
思わず苦笑してしまいますw


今日の甘口!

・流れ
  倒れた父に渡された【尊厳カード】
  それは万一の時のために
  尊厳死をするかしないかを
  記しておくもの
  最初の説明では癌だけど
  手術は成功するだろうし
  問題ないというものだった
  でも状況が変わり、もう進行して
  しまっていて手の施しようがなくなってしまう
  父に迫られる『はい/いいえ』
  取り乱した父はなかなか
  意思の表明をしようとしない・・・という流れ
・テイスト
  医療です、尊厳死です
  まずはとある家族が尊厳死に向き合った
  というお話
  それから尊厳死というものが
  メディアに中途半端に取り上げられた
  せいで国民の認識も甘いというところ
  物語だけでなく勉強にもなりますw
  また、短編形式である家族のお話が
  終わるとまた別の・・・となるので
  複数のストーリーを味わうことができますよ
・キャラ
  【明日香】は目立たない女性
  主体性が無く状況依存が強い
  【洋一】は明日香の父
  倒れて入院、癌を患っている
  【美和子】は母
  既に不義理もあり
  義務的に見舞いに来るだけ
  (でも洋一の方も不義理があるのでお互いかよ!な関係)
  【宮田】はソーシャルワーカー
  病院の色んな部分を見てきた
  尊厳死について色々考えている

  その他短編ごとに登場人物が出てきます
・気に入った言葉
  倦んだ生活の飽和のうえににあぐらをかき、
  主体的であろうとせず手近な者や状況に依存して
  均衡を保たせようとする
  これはまこと仮初である
  (倦む = どうしようもなくなる、あぐねる、もてあます)
・表現
  人間の浅ましさもやんわりとですが
  ありのままに書いてあるのが良いですねー
  そしてその上で、
  捻くれて本当のことに目を向ける人をディスったり
  とかしていないのも良いです
  ありがちな作品だと
  世の中キレイごとだけじゃないんだよフッ・・・(髪をかきあげながら)
  みたいなのとか
  汚い自分を正当化するために
  『改善しようとする人』をやたらとディスるんですよね
  本作はそうした捻くれが無いのが良いです


今日の辛口!

・特に無し!
  突っ込みたいところは
  特にありませんでした!
  こういう感じの作品が
  もっと増えてくれると良いと思います~


以上、
『はい/いいえ』の?!
日常系作品でした!


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