2014年10月2日木曜日

凍りのくじら  読みました!!

タイトル : 凍りのくじら
賞種   : ―
出版   : 講談社文庫
著者   : 辻村 深月
イラスト : ―


今日のインプレダクションは一般文芸のコレ!
日常系作品です!


スコシ、――

父の失踪した娘の体験した、
すこし不思議な高校生活は――
ほぼ日常系でちょっとだけファンタジー
かなり良かったです!
題名からはもっと爽やかなものを
想像していたんだけど、
かなりの捻くれ系でしたw
高校生の捻くれでここまでこじれるのかなあ
枯れきった世代が無理に
高校生をしているようにしか見えなかったw
でも捻くれによって起こる『結果』も
きちんと描かれているし、
自分を省みて成長もしている
・・・逃げ続けて文字通り落ちちゃう
人もいますがw


今日の甘口!

・流れ
  写真の賞を受賞した主人公
  その高校生時代を振り返る
  何にでも冷めきっていたけど
  とりあえず恋愛はしていた
  付き合って別れたけど
  まだ連絡とって会ったりしている男がいたり
  いきなり写真のモデルになってほしい
  という男が現れたりする
  別れた男とはずるずる連絡とりあったり
  してしまうけど・・・という流れ
・テイスト
  最近流行りの捻くれ系みたいな感じ
  (といっても本作は2005年の作品みたい)
  女性版で、一般文芸ゆえにもっと悪意が強いです
  心の汚さがもっとはっきり描かれていますw
  これ550ページも続けるのか?
  ・・・と思ったらそこは一般文芸なので
  そこで終わりではなかったw
  もっとつっこんだ所まで描きます
・キャラ
  【芹沢理帆子】は捻くれ系
  かなりこじれていて
  何にでも顔を出すけど
  全てにさめていて心の中で他人を馬鹿にする
  【若尾大紀】は理帆子の元カレ
  全てに対していいわけをしながら
  生きている
  司法試験に合格するんだといいつつ無理そう
  【別所あきら】は謎の男
  いきなり理帆子の前に現れ
  写真のモデルになってほしいと言います
  【松永】は父の友人
  父は失踪で既にいなく、その代わりに
  この人が理帆子の家の金銭面の援助をしてくれている
  【郁也】は松永の隠し子
  言葉を喋らない代わりに
  ピアノが凄くうまい
・ラノベとの違い
  本作を読んで『PDCAサイクル』を思い浮かべました
  Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善)
  これでラノベと一般文芸では違いが出るなって思いました
  ラノベって
  P:捻くれてやる! D:キャラと話す、騒動に巻き込まれる
  C:必ず良い結果が出る前提なのでPに狂い無し!
  捻くれてても全てを受容してくれる優しい世界
  なのでPlanに何の支障も出てきません
  ・・・それってCの意味あんのかってぐらいです
  で、Aが無いんですよここには
  でも一般文芸の場合そんな
  都合の良い結果は出ないので、
  何がいけなかったのか、どこが間違っていたのかというA
  も入ります
  ここが決定的な違いなんじゃないかなと
  『PDCAサイクル』って社会人だとよく耳にするかと
  思いますが、これが機能しないと
  なかなか仕事は良くなっていきません
  個人でも同じで、これが機能しないと成長しないのです
  Aの欠けた全面的な自己肯定は成長を止めてしまいます
  Aは基本的に自己否定です、
  自己否定を恐れず、そこから次のPDCAに繋げましょう


今日の辛口!

・うそ
  主人公は『わたしは自主性がない』
  というけど自主性だらけ
  でもそうした『自分に嘘をつく』
  という弱さも含めてのキャラ造形なのかな
  最近『わたしは自主性がないから』
  とか宣言するのは流行りみたいなもんですかね


以上、
超捻くれ系、な?!
日常系作品でした!


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