2015年4月3日金曜日

聖王剣と喪われた龍姫2  10個星です!!

タイトル : 聖王剣と喪われた龍姫Ⅱ
賞種   : ―
出版   : ファミ通文庫
著者   : 三門鉄狼
イラスト : 萩原 凛


今日のインプレダクションはコレ!
異能ファンタジー作品です!


評価は
★★★★★★★★★★
10個星です!!


事象と世界と選択と

伝説のアイテムを探す旅
それは追手からの逃避行で――
反逆の異能ファンタジー
なかなか凄かった!
主人公は徐々に幻視や幻聴に
悩まされるようになっていきます
それは力の代償なのか報奨なのか
侵略と迫害、国という圧倒的な組織に
立ち向かう姿があり、
大枠で浮かび上がらせているのは
『生と死』でしょうか
幼馴染少女との対立で
葛藤する『公と私』もあり、
戦いの裏の結果までセリフで
出して『視点の逆転』も表していたり、
『ここまで書くか!』とうならせる本気度です
これは今の時勢とリンクさせると
かなり発見があるかも!
出版年月からすると時代を先取りした一冊です


今日の甘口!

・流れ
  ヒロインの故郷には【三聖具】の
  手掛かりがあり、
  そこを目指す一向
  【三聖具】を全て集めれば
  迫害されているヒロインの
  居場所を作ってあげることが
  できるかもしれないという強力なアイテムらしい
  しかしそれは帝国に背くことであり、
  帝国からの追手から
  逃げる日々を送ることになった
  列車で最東端の町を目指すも
  そこでも襲撃を受けて・・・という流れ
・テイスト
  序盤の冒険的な空気から
  中盤へ入るとどんどん
  色の違う歯車が回り始め、
  徹底的に考えさせる内容に
  なっていきます!
  真面目な作品ばかりだと疲れてしまうかもしれない、
  でも空っぽな作品ばかりでも実りがない・・・
  だから、たまにはこういう
  作品も読むと引き締まりますよ!
  読んだ後も『問い掛け』が余韻として残るでしょう
・キャラ
  【ロジオン】は主人公
  記憶を失い中
  色んなことに気付き、疑問を持つことができる
  賢さを持っている
  【リーザ】はヒロイン
  感情をうまく表現できない
  【イゼル】は仲間
  関西弁で陽気な男
  【グリューネ】は幼馴染
  貴族令嬢で、ロジオン達とは
  敵の所属となり、複雑
・テーマ性
  居場所を作る・・・それだけのことなのに
  それは多大な困難が阻む境遇もある
  これって今だから真剣に
  向きあわないといけない問題かもしれませんね
  これはできればコラム
  でも書いておきたいテーマですな~
・気に入った言葉
  世界が果てるまで、その答えが出ることはないだろう
・現状の『読者たち』
  これだけ重厚に描いてあると
  お手軽ご都合が大好物な層からは
  激しい批判攻撃に晒されるかもしれません
  ですが、
  こういう真面目系もたまには
  あって良いのではないでしょーか
  何もかも空っぽな現実逃避のツールばかりでは
  後になってから色々な
  弊害が起こるのですから・・・
  業界が今直面している問題も現実から目を背け続けたから、
  世界が今直面している問題も現実から目を背け続けたから、
  捻くれたまま成長できない人も現実から目を背け続けたから・・・
  そういう風には考えられませんか?
  本当に何も関係なく何の脈絡もなく
  現在が勝手にそうなっていると思いますか??


今日の辛口!

・全体
  まあ打ち切りなので
  急ぎ足になってしまったのは
  少し残念ですね~
  いや~でも久し振りに
  本気の作品って感じがして良かったです!


以上、
居場所を作る?!
異能ファンタジー作品でした!


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