2015年6月6日土曜日

KAPPA  読みました!!

タイトル : KAPPA
賞種   : ―
出版   : 徳間文庫
著者   : 柴田 哲孝
イラスト : ―


今日のインプレダクションは一般文芸のコレ!
ミステリ作品です!


全ては水の中に

牛久沼で河童に人が襲われる
という事件が発生して――
河童を題材にしたミステリ
これは凄く良かった!
河童が人を喰ったという
突拍子もない話を中心に据え、
伝説や人々の会話によって
徐々に輪郭を露わにしていく
というじわじわした構成ですね
最初はファンタジーかと思わせつつ
途中でそれがどうやらミスリードらしい
と気付かせてくれます
現実と空想の狭間で不思議な
体験を提供してくれるでしょう
登場人物達の心境の変化も
体験や勘違いといった仕掛けが
卓越していて鮮やかに釣られました


今日の甘口!

・流れ
  牛久沼は現在ブラックバスが
  増えて生態系が変わってしまい、
  バス釣り客がよく訪れる
  そんな中、バス釣り客の一人が
  沼に現れた怪物に捕まり
  引きずりこまれていってしまう
  それを見た人が河童に人が喰われたと
  地元住民に知らせ、
  その地元住民が警察に通報し
  事件となる
  警察は当然河童のしわざなど
  ありえないということで
  目撃者を容疑者として
  捜査し始めるが・・・という流れ
・テイスト
  サスペンス性も充分にあり
  読めば読むほどに謎に
  興味が湧いていくような構成に
  なっております
  登場人物の成長なども見られ
  人とストーリー両面で楽しめるでしょう
・キャラ
  【有賀】はルポライター
  自由気ままにやってきて
  奥さんに逃げられたり
  雑誌編集部からもよくない目で
  見られていた
  河童事件に興味を持ち牛久沼にやってきた
  【阿久沢】は警察官
  事件の当初から被害者の特徴に
  疑問を持っていたが
  あくまで殺人事件として進める上層部と揉めてしまう
  【源三】は地元の漁師
  まだ続けているけどもう
  引退を考えている
  【太一】は地元の少年
  不登校児でバス釣りをしては
  それを亡きものにしている
・内容
  社会問題や人間の業も
  触れられていて、
  人間というものを考えさせる
  厚みがあったのが良かったです!
  巷に溢れるエンタメ性ばかり求めた作品は
  薄っぺらいものばかりなので
  本作の厚みに触れると心が引き締まりますね
・気に入った言葉
  日本人は、何かが起こるまで動こうとしませんから


今日の辛口!

・特になし!
  突っ込みたいところは
  特にありませんでした!
  この作家さんの他の作品も
  読んでみたいところですね~


以上、
これがKAPPAか・・・! な?!
ミステリ作品でした!


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