2013年12月18日水曜日

ロゥド・オブ・デュラハン 10個星です!!

タイトル : ロゥド・オブ・デュラハン
賞種   : 第3回『このライトノベルがすごい!』大賞・大賞
出版   : このライトノベルがすごい! 文庫
著者   : 紫藤 ケイ
イラスト : 雨沼

”ホントに面白い作品を生み出すこと”がコンセプトの賞!
王道を行く、安心して読める作品でした!

評価は
★★★★★★★★★★
10個星です!!


辿る糸、過去との対峙

完全真面目系のダークファンタジー
読んでみて往年のファンタウニャララ文庫のような・・・
と思いました(イラストがそう感じるだけかな?)
様々な事件を辿っていく過程で
語られる登場人物達の過去――
皆それぞれ背負うモノがある、
ということが力強く描かれた力作でした!!


今日の甘口!

・ザ・ファンタジー!
  純ファンタジー
  真面目なものが読みたいと言われたら
  このラノ文庫を勧めたくなるくらい良かった!
・重量級のボリューム感
  ページ数以上に内容がぎっしり
  詰まっているかのような満足感
  中ボスを数多く配した事、
  また中ボスの背負っている過去などを
  多めに描写した事でそう感じたのかも
・メッセージ【自己肯定】
  主人公は二人の姫を失った事
  デュラハンの娘は過去大量殺人を犯した事
  バンシーの娘は国ごと全ての者を失った事
  さらに中ボスなんかもそれぞれに
  一言で悪と言えないような
  過去を背負っていたりする
  それぞれの思いの中で
  最終的には自己肯定の
  重要性を訴えているような感じになった
  デュラハンの娘はデュラハンになる前に
  大量殺人を犯した罪があるが、
  現在は死を捻じ曲げ他人の命を喰らう者に
  確実な死をもたらす事によって贖いとしている
  一見それは殺しにも見えるがそれは救いでもある
  罪が消えないならば、
  救いという徳もまた消えないのだ――
  そう語りかけてデュラハンの娘の絶望を
  主人公が打ち払う・・・
  よくあるマイクロフィルムばりの『薄っ!』
  な自己肯定は巷で乱立しているので
  この手のメッセージは逆に難しいのですが、
  本作では製本された書籍のように
  一定の厚みがあるメッセージでした!


今日の辛口!

・主人公が・・・
  途中までの主人公の弱さは
  どうにかならないですかねー・・・
  どうしても影が薄くなってしまう
・難しい表現
  描写は言葉巧みも、
  難しい表現を多用した場合
  『品格』ととるか『読み辛い』ととるかは分かれるかも


以上、
盤石な書き口でこのライトノベルがすごい! 文庫の顔になりそうな?!
これからも期待が持てる作品でした!!


1 件のコメント:

  1. 選考委員選評を見てみると、
    流行りモノと違うけど大賞として推したい・・・
    そんな言葉が印象深いです!

    ★ 選考委員選評はコチラ ★

    最近は徐々に流行が変わりつつある
    ような気がしますが、
    このラノ大賞ではいち早く?
    学園モノの流行終了を感じていたのでしょうかネ

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