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2014年1月9日木曜日

サマー・ランサー 10個星です!!

タイトル : サマー・ランサー
賞種   : 第19回電撃小説大賞・選考委員奨励賞
出版   : メディアワークス文庫
著者   : 天沢 夏月
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
爽やかほっこりな青春部活ドラマです!


評価は
★★★★★★★★★★
10個星です!!


迷い道、真っ直ぐな道

中学までのイロイロで、
剣道を捨てて腐っていた主人公
槍道部の直球少女に熱心に勧誘され、
次第に心動かされていく――
うじうじ主人公の浮き沈みが
克明に、そして丁寧に描かれて
どっぷり世界を味わえます!!
ライトノベルを愛する全ての人に
キョーレツにオススメしたい作品です!


今日の甘口!

・サイクロン並の吸引力
  世界に入り込ませる力が
  非常に強く、どっぷり楽しめる
  読んでいてキャラ達の楽しそうな
  光景が浮かんできます!
・これもライトノベルだ!
  主人公の心の内側の描写が主
  自分と向かい合う、という描写で
  ターゲット通りのライトノベル
  じゃないでしょーか
・槍道かっ!
  槍道って言われて
  納得してしまったけど、
  あとがきを見て「おおお?!」
  となりましたw
・ヒロインがイイ!
  ヒロイン好き、超好き
  槍の真っ直ぐに掛けてるのかも
  しれないけど、とにかく真っ直ぐ
  でカワイイ


今日の辛口!

・おい主人公!
  うじうじし過ぎだっっ
  いつまで腐ってんだ、早く立て!
  とか声を掛けたくなった
  これも世界に入り込んでいるから
  なんだけどね~


以上、
読んでる途中から満足感一杯で暖かい読了感の?!
今後も作者に期待な青春部活ドラマでした!


2013年12月24日火曜日

エーコと【トオル】と部活の時間。 10個星です!!

タイトル : エーコと【トオル】と部活の時間。
賞種   : 第19回電撃小説大賞・金賞
出版   : 電撃文庫
著者   : 柳田狐狗狸
イラスト : MACCO

今日のインプレダクションは満点でオススメできるコレ!
伏線巧みな、ドライ系サスペンス作品でした!

評価は
★★★★★★★★★★
10個星です!!


周到、想いのために

主人公の少女は化学部に入り、
ひょんな事から事件に巻き込まれていく
事件を経て行き辿り着いたのは――
様々な描写の中に、
これは伏線かもーとか
楽しみながら読み進めることが
できました!
真面目で読み応え充分
強くプッシュしたい作品です!


今日の甘口!

・しっかりした作り
  事件について随所に伏線があり、
  しっかり安定した展開
  緻密に組み上がったパズルのようで、
  巧みな構成力です!
・設定もしっかりマッチ
  イジメを核として各キャラに
  暗い過去の設定がある
  これは作品の方向性に
  暗さを持たせる点で一貫しており
  物語との親和性抜群
・書き口豊か
  人の暗い感情をそれとなく
  表現できていて、かつ
  淡々と語る事ができているのが
  これの面白さ、深みの演出だと思います


今日の辛口!

・笑いについて
  幾つかフフリとする部分があったけど
  どうせなら自作の笑いも作ってほしいナ
  ジブリ愛は分かりましたがねフフフ


以上、
豊かな筆力でこれからどんな作品を生み出してくれるのか?!
超期待、な作品でした!!


2013年12月18日水曜日

ロゥド・オブ・デュラハン 10個星です!!

タイトル : ロゥド・オブ・デュラハン
賞種   : 第3回『このライトノベルがすごい!』大賞・大賞
出版   : このライトノベルがすごい! 文庫
著者   : 紫藤 ケイ
イラスト : 雨沼

”ホントに面白い作品を生み出すこと”がコンセプトの賞!
王道を行く、安心して読める作品でした!

評価は
★★★★★★★★★★
10個星です!!


辿る糸、過去との対峙

完全真面目系のダークファンタジー
読んでみて往年のファンタウニャララ文庫のような・・・
と思いました(イラストがそう感じるだけかな?)
様々な事件を辿っていく過程で
語られる登場人物達の過去――
皆それぞれ背負うモノがある、
ということが力強く描かれた力作でした!!


今日の甘口!

・ザ・ファンタジー!
  純ファンタジー
  真面目なものが読みたいと言われたら
  このラノ文庫を勧めたくなるくらい良かった!
・重量級のボリューム感
  ページ数以上に内容がぎっしり
  詰まっているかのような満足感
  中ボスを数多く配した事、
  また中ボスの背負っている過去などを
  多めに描写した事でそう感じたのかも
・メッセージ【自己肯定】
  主人公は二人の姫を失った事
  デュラハンの娘は過去大量殺人を犯した事
  バンシーの娘は国ごと全ての者を失った事
  さらに中ボスなんかもそれぞれに
  一言で悪と言えないような
  過去を背負っていたりする
  それぞれの思いの中で
  最終的には自己肯定の
  重要性を訴えているような感じになった
  デュラハンの娘はデュラハンになる前に
  大量殺人を犯した罪があるが、
  現在は死を捻じ曲げ他人の命を喰らう者に
  確実な死をもたらす事によって贖いとしている
  一見それは殺しにも見えるがそれは救いでもある
  罪が消えないならば、
  救いという徳もまた消えないのだ――
  そう語りかけてデュラハンの娘の絶望を
  主人公が打ち払う・・・
  よくあるマイクロフィルムばりの『薄っ!』
  な自己肯定は巷で乱立しているので
  この手のメッセージは逆に難しいのですが、
  本作では製本された書籍のように
  一定の厚みがあるメッセージでした!


今日の辛口!

・主人公が・・・
  途中までの主人公の弱さは
  どうにかならないですかねー・・・
  どうしても影が薄くなってしまう
・難しい表現
  描写は言葉巧みも、
  難しい表現を多用した場合
  『品格』ととるか『読み辛い』ととるかは分かれるかも


以上、
盤石な書き口でこのライトノベルがすごい! 文庫の顔になりそうな?!
これからも期待が持てる作品でした!!


2013年12月16日月曜日

きじかくしの庭 10個星です!!

タイトル : きじかくしの庭
賞種   : 第19回電撃小説大賞・大賞
出版   : メディアワークス文庫
著者   : 桜井美奈
イラスト : -

記念すべき一作目はコレです!
懐かしの青春ラノベ、といった素晴らしい作品でした!

評価は
★★★★★★★★★★
10個星です!!


青春、女性視点で綴る

ラノベでなくともイケる、静かな青春モノ
淡々とした書き口に女性の内面が描かれ、
それぞれが抱えた問題と向き合い、
どう処理するか
どう決着を付けるか
で思い悩む
恋愛観や友達観の綴り方にじ~んときました
文句ナシの満点です!!


今日の甘口!

・場所の定点性
  題名のモノを用いて読者の視点を安定させた技術は秀逸
  安心して読む事ができて
  読者も作品に入っていきやすい
・設定の説得性
  悩み多き女子を応対するのが教師、というところで
  立場だけで何となく読者に説得力がある
  設定作りの妙技ですね~
・女子キャラの表現力
  筆者が女性だから、なんでしょうけど
  人間味が描きこまれていて
  実在しているかのよう


今日の辛口!

・紙面の厳しさ
  紙面の関係からか、途中どのキャラも何か一言聞くと
  「それはこういう事だよね」と
  鋭く裏を察する会話が多用されていた
  ボリューム的に収まりきらない部分をカットしたのかも
・情報源の不明さ
  脇役の情報網が外国にまで及んでいるが、
  「何で?」と作中でも書かれているも不明なままだった
  これも紙面の関係上スムーズに進めるためかも
・黒い部分の塩梅
  女子二人の友情のすれ違いを描いた部分は、
  ちょっと終わり方が綺麗過ぎたかも
  黒い部分を外に押し付けて綺麗なものだけ残した、
  というのはうがった見方かな?


以上、
筆力が高く今後はどんな作品が?!
と期待に胸が高鳴る作品でした!!