2021年10月24日日曜日

屍者の帝国  読みました!!

タイトル : 屍者の帝国

賞種   : -

出版   : 河出書房新社

著者   : 伊藤 計劃、円城 塔

イラスト : -



今日のインプレダクションはコレ!

ファンタジー作品です!



その先


屍者を労働力とする時代。

新型屍者を巡る国家間の水面下の駆け引きに飛び込んだワトソンは――

聞いたことあるキャラクターがいっぱいのファンタジー。

久々にじっくり読める作品に出会った。

複数の職人が作った家なのでこれまでよりはちょっと異なるのは仕方が無いところ。

単純労働ほど屍者化しやすい時代は、

機械化しやすいと読み替えても違和感は湧いてこない。

その意味では、分岐がちょっとズレただけの世界線と言える。

屍者を作品内で多面的に見届けるなら当然、

魂の話や蘇りの話も気になってくる。

だから作者はスコップを持ち出し、

あらん限りの忍耐力で掘り進んで行かなければならない。

伊藤計劃さんはプロローグのみということだから、

彼であればどう掘り進んでいただろうか。

そんな分岐が気になってしまう。

締めのあの言葉は、本の外へも向けられている。



今日の甘口!


・流れ

  死んだ人間を動かすことができる技術が確立された時代。

  大英帝国の諜報員となったワトソンは、

  秘密の任務でアフガニスタンに行くことになる。

  そこには屍者の一団を率いて立てこもる者がいるという話で・・・という流れ。

・テイスト

  事件が起こり、

  その真相に近付いていくと別の事件が見えてきて、

  そちらも真相に近付いていくと・・・という転々止まらずの展開です。

  屍者と生者についても考えます。

・キャラ

  【ワトソン】

  大英帝国の諜報員。

  よく勉強している。

  【バーナビー】

  大英帝国の諜報員。

  戦闘担当の筋肉質な男。

  【クラソートキン】

  ロシア帝国の諜報員。

  故あって行動を共にするが、

  一定以上の協力はしない。

・聞いたことある人物名

  ワトソン君から始まり、

  ヴァン・ヘルシングとか

  ヴィクター・フランケンシュタインとか

  なんか聞いたことある名前たち。

  そういったネームバリューのある登場人物達が

  多数出てきます。

  元の作品を知っている人は思わずにんまりでしょうね。



今日の辛口!


・全体

  映画版の方を先に観てしまったのですが、

  映画版はちょっと変えすぎですね。

  とはいえ映画版の方は伊藤計劃さんが時期的に

  死生観に目を向けていたのではないかという思いで、

  監督が脚本を書いたのでしょう。それはそれで有りか。

  こちらの小説版は、

  伊藤計劃さんが書いたのは試し書きのみで、

  引き継いだ円城塔さんは結論も分からないところから始めたそうで。

  天才の作品を引き継いで書くのは相当なプレッシャーだったと思います。

  これはまあある意味遊びの方に多く割り振って正解と言えば正解だったと思います。

  ただ、屍者が主たる設定なのにあの女性の設定の方が圧倒的性能なのは

  ちょっとどうなんだという気も。



以上、

聞いたことあるキャラクター大集合、な?!

ファンタジー作品でした!


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