賞種 : 第23回電撃小説大賞・大賞
出版 : 電撃文庫
著者 : 安里アサト
イラスト : しらび
今日のインプレダクションはコレ!
SF作品です!
評価は
★★★★★★★★★★
10個星です!!
果て無き行進
華やかで光のある世界に住む少女は
死と鉄の世界に住む少年達の指揮官を任され――
人間模様を描いたSF
素晴らしかった!
人間の良い所も悪い所も隠さず描写してあり、
間違いなく大人も読めるレベルの良作です
SFの部分もファンタジーの部分もありますが、
主軸は人間模様に置かれています
構築された世界の中でのリアル感が凄く、
最初から最後まで没頭することができました
これぞ大賞作、と言っていいでしょう
今日の甘口!
・流れ
無人機の攻撃を有人機で受け止め続ける国。
有人機は撃破されれば人が死ぬ、
それなら「搭乗者を人と定義しなければ戦死者にカウントされない」。
そこで国は戦場に送り出す者達を徹底的に差別対象にし
人権を剥奪してしまった。
差別をする側とされる側では住む場所も
隔絶された。
差別をする側の世界で暮らす少女は
そんな制度をおかしいと思いつつ、
最前線部隊の指揮官を任される。
最前線にいるのは差別される側の者達だ。
指揮官になった少女は激しい戦闘の中を生きる者達と
交流を試みるが・・・という流れ
・テイスト
こちらの世界と向こうの世界、
という感じで環境の違いが
鮮明に描かれています
それに伴う認識の齟齬とか、
人間の抱える問題とか、
色んなものを考えさせられる
構成になっていますね
・キャラ
【レーナ】
主人公少女
まともな感性を持つが故に生き辛い
指揮官として奮闘
【シン】
もう一人の主人公で、こちらは少年
激戦区を潜り抜けてきた凄腕パイロット
常に冷静で起伏が無いように見えるが、
内側に熱いものも持っている
今日の辛口!
・全体
差別を白人と有色人種におけるもの
として書いてはあるものの、
あくまで限定されたものではなく、
人間の抱え続けている問題として
捉えているのだろうなと感じました
その冷静さと淡々とした書き方が
好ましいです
人間の弱さや脆さ、
絶望と希望、
色んなものが詰め込まれている
宝箱みたいなものでしたね
最後の希望がひときわ輝いて見えました
ということで文句の付けようがないですね!
以上、
無人?有人?、な?!
SF作品でした!
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