えーまた
久々のコラムでございます
今回は販売戦略についての考察です
『新しい販売戦略』
こうしてみてはどうだろうと
思いついたのが、
【売り上げ目標のグループ化】
です
これについてお話させていただきます
■業界を取り巻く状況
最近は
・特定の売れ筋だけが売れて他は全然売れない
・前作がけっこう売れた作家なのに新作を出したら売れない
そんなことがあるようです
こうした要因から1~2巻で打ち切り
というケースも増えているように思います
さてここで基本的な販売戦略は
・売れるものはばんばん続巻を出して
特装版やグッズなども出して売り上げを出す
・売れないものは即打ち切りにして次作を出す
こんな感じになると思うのですが、
ちょっと待ってほしいのです
■従来の販売戦略で大丈夫?
これって
一冊一冊全てにおいて
『売り上げ目標を達成したか』
という販売戦略ですよね
達成したら継続し、達成できなければ打ち切りという形です
確かに商売ですから
売れる作品だけに力を注ぎたい気持ちは分かります
ですが、そうした
『使い捨て』的な
販売戦略で良いのでしょうか?
作家も作品も使い捨てというスタイルに
持続可能な発展があるとは思えないのです
既に我々は『ラブコメ隆盛期』という
暗黒時代を経験したばかりです
特定のジャンルばかりを売り出し
特定のジャンルばかりを受賞させ
業界の売り上げという数字だけ見れば
上がっているように見えたでしょうけど
その中を覗いてみれば
作品の質
作家の質
共に停滞してしまったのではなかったでしょうか?
今度は『なろう』などのweb発作品に各レーベルが群がり
乱獲している状況だと思います
そういう『その場』しか考えられない
刹那的な考え方をやめ、
時代の変化に左右されない強固な販売戦略を確立しませんか?
(厳密には、時代の変化にもそれなりに波に乗っておいた方がいいです)
■発想の転換を
ここで遂に
【売り上げ目標のグループ化】
の話になるのですが
これはどういうことかというと
簡単に言ってしまえば
『一冊ずつ売り上げ目標の判定をする』
から
『複数の中で売り上げ目標の判定をする』
に切り替えれば良いのです
例を出します
◆
従来型 『一冊ずつ売り上げ目標の判定をする』
・作品『ラブコメA』 7万部目標
・作品『異能B』 7万部目標
・作品『ファンタジーC』 7万部目標
◆
新型 『複数の中で売り上げ目標の判定をする』
・作品『ラブコメA』
・作品『異能B』
・作品『ファンタジーC』
上記作品たちで21万部目標
イメージは掴めたでしょーか?
上記例で売り上げ結果が
・作品『ラブコメA』 18万部
・作品『異能B』 3万部
・作品『ファンタジーC』 5万部
という結果になったとします
すると目標達成状況はどうなるかというと
◆従来型
・作品『ラブコメA』 達成
・作品『異能B』 未達
・作品『ファンタジーC』 未達
◆新型
・作品『ラブコメA』
・作品『異能B』
・作品『ファンタジーC』
上記作品たちで26万部なので達成
こうなります
この新型の方式で行けば、
バシバシ打ち切りをしなくて済むのです!
■育てる環境を作ろう
なにも全ての作品を気が済むまで
書かせるべきとは言いません
ですが、最低3~4巻程度は
書かせても良いのではないでしょーか
その分売れ筋の方では
バンバン画集やらグッズやら短編やらを出して
稼いでおけば良いのです
作家も作品も
いつ芽が出るかというのは
分かりません
作家も作品も、従来の使い捨ての
発想ではその芽を埋もれさせてしまうことが多いです
この新型の方式で行けば
作家も作品も育てることができると思います!
■終わりに
育てる環境があれば
持続可能な発展が形成され、
時代の変化に左右されない
強固なレーベルになれるでしょう!
『後の事は知らない』よりも
『ずっと続く』レーベルに・・・
この販売戦略、どうでしょーか?
(まあ、既に取り組んでいるところもあるかもしれませんが)
ご清聴ありがとうございました!