2020年11月8日日曜日

十六夜荘ノート  読みました!!

 タイトル : 十六夜荘ノート

賞種   : -

出版   : 中公文庫

著者   : 古内 一絵

イラスト : 田中 千智



今日のインプレダクションはコレ!

回想ドラマ作品です!



その時その時の自分


突然大伯母の遺言で受け継ぐことになった屋敷。

そこは変わり者達が住むシェアハウスになっていて――

激動期の回想ドラマ。

非常に良かったです。

闇の中でそれでも強く輝く光。

光が満ちていく時もあれば欠けていく時もあるさと、

夜空に人生視たり。

題名から想像されるよくあるパターンでは終わらず、

非常に難しいラインを小気味よく突き進んだお話でした。

辛いお話だけど辛い時にまた頑張ろうと思える良作です。



今日の甘口!


・流れ

  がむしゃらに働く男性に突然の報せが。

  大伯母の死、そして一等地の屋敷の権利。

  降ってわいた遺産を活用しようと男性は考えるが、

  遺産である屋敷に行ってみると、

  そこはシェアハウスになっていて、

  変わり者達が住みついていた。

  遺産を受け継いだ男性はよし、立ち退いてもらおうと考える。

  しかしそれが簡単にはいかなくて・・・という流れ

・テイスト

  遺産を受け継いだ男性の現代パート、

  大伯母が戦中戦後を生きる過去パート

  からなるドラマです。

・キャラ

  【雄哉】

  遺産を受け継いだ男性。

  成果にまっしぐらに突き進み、

  仕事では周囲を追いつめてしまう。

  【玉青】

  大伯母。

  空気に流されず気丈に生きる女性。

  戦中でも英語教師をしていた。

  華族であり、お手伝いさんのいる家で育つ。



今日の辛口!


・全体

  闇の中の輝きを描く時は悲劇を強調するのが定石ですが、

  敢えてそこを抑えて描いてあるのが

  新しいと思いました。

  没落に絡め善悪についても描いていますが、

  そこも善を殊更に悪しざまに書くのが定石ですが

  上手に抑えて描いています。

  この線で描かれているのは他に見たことがなく、

  まだまだ小説も奥深いですね。



以上、

お屋敷の歴史、な?!

回想ドラマ作品でした!


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