2016年2月14日日曜日

見えざる網  読みました!!

タイトル : 見えざる網
賞種   : ―
出版   : 角川文庫
著者   : 伊兼 源太郎
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
ミステリ作品です!


どうやって繋がるか

携帯に視線を落とす若者達
それが見えざる網となり――
現代ガジェットのミステリ
かなり良かった!
SNSと群集心理を用いた
巧妙なサスペンス
題名の付け方が読み進める度に
色んな意味に思えてきて
技巧派だなと感じました
追い詰められながら
追い詰めていく犯人への道のりも
非常に楽しめました


今日の甘口!

・流れ
  テレビの街頭インタビューで
  青年はSNSについて否定的な意見
  (それは一部を切り取られたものだが)
  を述べたら、
  何者かに狙われるように
  なってしまった
  しかも明確な誰かという感じでなく、
  とあるSNSを利用している若者達が
  SNSで受けた指令の通りに
  動いているだけで
  いつの間にか事故に見せかけた殺人を
  しようとしてくるシステムになっていた
  実行犯の若者達は殺人に加担している自覚が無い
  見えない敵はどうやって
  SNSに指令を出しているのか・・・という流れ
・テイスト
  いったい誰に狙われているんだ
  という謎の強いミステリですね
  そして現代社会の『繋がり』について
  言葉を重ねることで迫っていく
  社会派なところもあったり
  凄腕ハッカーに力を借りたり
  カーチェイスしたり活劇なところもある
  多彩な作品と言えるでしょう
・キャラ
  【凜太郎】は主人公青年
  住職の息子
  腕っ節は強いが滅多に力を使わない
  【千春】
  警察官女性
  警察は被害が無ければ動けない、
  そこにもどかしさを感じ
  少しでも市民に寄り添おうとしている
・管理
  作中で警察官である千春が
  『誰だっていつも監視されている
   いい例がマイナンバーでしょ
   監視カメラだってそこらじゅうにあるし
   世界は網だらけ』
  と言っているのが印象的です
  それに対し凜太郎が
  『いつの時代も権力を持つ連中の考えることは同じだな』
  と返します
  マイナンバーは税金の徴収を監視
  する目的がありますが、
  なぜか『税金の使い方は監視しない』のです
  国は『便利だから』と良い面を強調しようと必死ですが、
  こうした疑問や裏側を意識することが大切ですね


今日の辛口!

・全体
  住職の息子という肩書きが
  果たして必要だったのかどうか
  迷いました
  でも人間を考える時に
  その方が引き出しが増えるのかもしれないし・・・
  難しいところですね~


以上、
誰に狙われているのか、な?!
ミステリ作品でした!


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