タイトル : 出口のない海
賞種 : -
出版 : 講談社文庫
著者 : 横山 秀夫
イラスト : -
今日のインプレダクションはコレ!
戦中ドラマ作品です!
その胸中やいかに
学生野球の世界から軍隊へ。
時代の流れに揉まれて――
人間魚雷『回天』の戦中ドラマ。
なかなかの余韻がありました。
搭乗者たちがどんな思いで特攻兵器に乗ったのか。
その心情は多様な想像によって描かれることになります。
本作はカッコよく描かないところに際立つ妙技が見えます。
決死の出撃をしつつも・・・という事態は多くの発見にもなるでしょう。
今日の甘口!
・流れ
大学野球の生活に戦争の影が忍び寄る。
太平洋戦争が始まり、
月日が経つと学生の徴兵免除も遂に取り消されてしまう。
野球部のメンバーはそれぞれ徴兵されてしまった。
ピッチャーの青年は訓練に励む中、
ある日特別な兵器の搭乗員募集を耳にする・・・という流れ
・テイスト
搭乗員の気の持ちようがメインです。
・キャラ
【並木 浩二】
野球部ではピッチャー。
肘を壊してからは多段変化の魔球を
完成させようと練習している。
流れに呑まれてしまいながらも、
時折優しい自分に戻る。
・戦争は単純でない
戦争にまつわる情報は勇ましさ・哀しさの他にも
色々あることが分かります。
特攻は必ず敵に激突して死ぬわけではありません。
完成度の低い兵器なので訓練中に死んだ人も大勢いる。
いざ発射という時に故障で出撃できず帰投した人もいる。
そういうことは知っておいた方が良いですね。
今日の辛口!
・全体
悪くない終わり方だったと思います。
ただ、途中駆け足だった部分に対する手当が
別のアプローチにした方が良かったんじゃないかなあという気も。
ともあれ学生辺りの年代の子にはぜひ読んでほしいですね。
以上、
流れに呑まれる、な?!
戦中ドラマ作品でした!